ツララカララ™
2022. 6. 14. 08:21
「韓国は反日教育をしているから嫌い」って人多いけどさ…
2013-05-19 22:20:44 | Weblog
「知れば知るほど嫌いになる国、韓国」と言っている人が信じている情報がデマばかりの件 その2
愛国者様たちが韓国を嫌う理由として「韓国(と中国)は反日教育をしているから」という話をよく見聞きします。
まぁ確かに自分の所属するグループを悪く言われるのは面白くないモンだ。
しかも、太平洋戦争で日本の占領下にあった国はたくさんあるのに反日教育をしているのは中国と韓国だけだという。
なるほど。それは頭に来るよね。
それどころか台湾やインドネシアをはじめとする多くの国は太平洋戦争でアジアの解放のために欧米の列強国と戦った日本を称え、祖国を解放してくれた事を感謝していると言う。
ふーむ。
つまり、韓国と中国だけが太平洋戦争における日本政府及び日本軍の動きを「悪」と考える「反日教育」を行っている一方、他のほとんどの国は日本に感謝しているから「反日教育」をしていないという事だな。
ではちょいとアジア諸国の歴史教科書から太平洋戦争に関する記述を和訳した物を見てみましょう。
まずは愛国者様から「最強の親日国家」として好かれている台湾からスタート。
台湾=国民中学3年下期「社会3の下」(仁林文化)
●日本の権力支配
1895年の台湾総督府成立後、日本政府は台湾に対し不平等待遇政策をとり、また総督が行政、立法、司法、軍事大権を総攬する総督専制の体制を作った。
●皇民化運動
1937年中日戦争が勃発し、台湾は日本の南進政策の基地となった。
兵力の供給源問題を解決するため、日本は「皇民化運動」を実施した。台湾人が日本式の生活習慣を身につけることを奨励し、日本語を話し、日本姓に改め、日本の神々をまつるなどの方式で台湾人の同化に拍車をかけ、日本国民の愛国心と犠牲的精神を持たせた。
太平洋戦争勃発後「皇民奉公会」が成立して、台湾人民を戦時体制に組み入れ、その後さらに台湾において徴兵制を実施し、日本軍の侵略性と暴力文化が存分に現れ出た。
台湾=中学生用『高級中学歴史下』2000
●二十余万人に達する台湾籍の軍人・軍婦が前線に送られ、さらに少なからざる少女が異郷で淪落し慰安婦にさせられた。これらの計り知れない辛酸血涙は、みな日本の植民地統治が残した歴史の傷跡である。
あれ……?
不平等待遇政策とか日本軍の侵略性と暴力文化ってどういうこっちゃねん?
辛酸血涙って中華料理か? いや違うな。
あのさ、これって韓国の教科書に出ていたら、間違いなく「反日教育だっ!」って騒がれるレベルじゃね……。
超親日国家の台湾がどうしてこんな酷い事を……
まぁ、いい。きっと何かの間違いに違いあるまい。だって日本は感謝されていて、反日教育をやっているのは韓国と中国だけなんだろ?
他のアジア諸国はきっと日本を絶賛しているに違いない。
じゃお次は日本の手によって英国から「解放」してあげた(と言っている人がいる)シンガポールの教科書を見てみましょう!
シンガポール=「私たちの歴史のページ」=SNPパンパシフイック出版社
●なぜ日本は東南アジアを攻撃したのか?
日本軍は、中国駐留軍に石油や鉄などの重要な原材料を供給するため、資源が豊富な東南アジアに侵攻することに決めた。また、原材料を支障なく日本軍に送るため、この地域の重要な海路を確保したかったのだ。
●粛清
英国軍が降伏して3日後、日本軍は18歳から50歳までの中国系男性すべてに、検問所に出頭するよう命じた。兵士は家から家を回り、銃剣を突きつけて中国系居住者を追い出した。女性や子ども、老人を捕らえることもあった。
不運な人々の大半は、まとめて縄で縛られ、船で沖に連れ出され海に投げ込まれるか、海岸に連行され、機銃掃射で処刑された。
●日本軍占領時代
捕虜の多くは、泰緬鉄道建設に送り込まれた。建設地の生活環境はひどく、建設地に送られた捕虜のうち、約3分の2が亡くなったと言われている。
むむむむむ? 変だな。なんだか全然感謝してねーじゃん。
それどころかなんか日本が悪者みたいに書いてね?
これが韓国や中国なら「処刑されたという資料はあるのか!」と怒鳴りつけている人いるんじゃね?
じゃ、フィリピンはどうだ?
「フィリピン人民の歴史 第8版」=ガロテック出版社
●日本によるフィリピン占領
(共和国としての独立を前提とした)準備期間の連邦制10年間は、過剰な人口や工業製品を受け入れる領土を求める日本が太平洋で戦争を始めた時点で、荒々しく中断されてしまった。
日本海軍の爆撃機は1941年12月、ハワイの真珠湾を攻撃した。米国は対日宣戦を布告し、ここに太平洋戦争の火ぶたが正式に切って落とされた。この戦争によってフィリピンは日本に占領された。
フィリピン国民は3年間にわたって戦争の辛酸をなめさせられた。国民の自由は敵によって抑圧され、経済は日本の戦争需要に対応させられ、教育もフィリピン人の考え方を日本人に合わせるよう改変させられ、そして日本が後ろ盾になった共和国だけが政治を行った。その間に何千何万ものフィリピン人が処刑・投獄されたが、反抗の精神は占領終結まで日本当局を苦しめ続けた。
おいっ! アメリカから解放してやったっつーのに完全に感謝も尊敬もしてねーだろっ!
じゃ、もういい。こうなったら、これまた親日国として超有名なインドネシアの教科書から抜粋するよっ!
インドネシア=「社会科・インドネシア国史2・小学校5年生用」
●日本による植民地支配
日本がはじめ、インドネシアの民衆にたいして親切でやさしい態度をとっていたのは確かである。しかし、時がたつにつれ、日本のインドネシア民衆に対する態度は、変わっていった。日本の行動は残酷なものになっていった。
一般に植民者の態度はどこも同じである。つまり、残虐で、搾取的で、非情である。私たち民族の運命は、トラの口からのがれ、ワニの口に入るということわざにたとえることができる。これは、どういう意味だろうか。それが意味するところは、日本がやってきたことにより、オランダ植民地時代に受けた犠牲はなくなるどころか、むしろ、事態は悪化したということである。
●インドネシア民衆の犠牲
日一日とインドネシア民衆の犠牲は、悲惨なものになっていった。民衆が命令に従わないと、日本は重い刑を下した。当時、私たち民族の運命は、実に苦しいものであった。食べ物は、すべて枯渇していた。飢えた腹を満たすために、民衆はおよそ人間が食べる物とはいえないような、タピオカの皮やバナナの皮などを口にせざるをえなくなった。
インドネシア=「中学校2年生歴史教科書」=エルランガ出版社
●労働者の搾取
主に田舎の住民である「労務者」は、日本に強制的に働かされた。特に軍の施設や防衛のための防壁や、列車の線路などをつくった。多くの「労務者」は現場で死んだ。その悲しい状況は結局、口からロヘ伝えられ、村の人々全員の知るところとなった。
●インドネシアが独立した背景
抗日運動は、インドネシアの独立の実現につながっていった。対日闘争を実施するのに、インドネシアのリーダーたちは非常に慎重だった。日本の占領がとても冷酷だと知られていたからだ。もし、はっきり抵抗すれば、日本占領政府はすぐに誰でも殺すだろう。このため闘争の方法は、その時々の状況に合わせていた。
インドネシア=高校生用「Sejaraha NASIONAL DAN UMUM」(Bumi Aksara 社)
●e. 商業及び工業
物価を管理しようという試みは失敗に終わった。これは、闇市の存在によって証明されている。そこでは物の価格は遥かに高かった。戦争経済システムに合わせて、経済のあらゆる面が政府もしくはその指導下にある機関によって管理された。商業面では、ミツイ・カブシキ・カイシャ、オオサカ・リマ・カブシキ[*1]といった日系企業に対し政府は独占権を付与した。組合を通して供給される物資の売買・配給に対しても独占は行われた。原住民の商業従事者は厳重に監督され、その販売品目は登録され、販売結果は報告される必要があった。
つまり、日本によって占領された他の地域と同様に、インドネシアはその国民が極めて苦しめられた国であったと言えよう。日本民族による残虐行為は西欧民族が犯した残虐行為を超えていた
残虐行為って……
この教科書でもなんか全く感謝されていないような気がします。
おかしいな…愛国者様がよく言う「朝鮮人の陰謀」かなwww?
※「『朝鮮人』っていわゆる北朝鮮の人をさすのだから、韓国と敵対国なんじゃね?」という突っ込みは無用。愛国者様にとってはそんな小さい事はどうでもいいようです。
はい、もう賢い人は(というかバカじゃない人は)気付きましたね。
そうです。「韓国と中国だけが反日教育をしている」というのではなく…
単に「アジア各国が太平洋戦争について史実と自国の価値観に基づいて教えているだけ」ってのが正解のようですね。中国と韓国もそれと同じ。
地理的にも政治的にも特に日本と関わりが深かった韓国と中国は当然、内容も濃いし分量も多いでしょう。
そしてこのような教育をしていたとしても台湾やインドネシアが世界でもトップクラスの親日国家である事は揺るがないのです。
まぁ、実に当然というか、説明するのもアホらしい話ですな。
つまり「過去に日本が悪い事をした」という事を教えるのが反日教育なのであれば、韓国と中国だけが「反日教育」をやっているというのはデマという事です。
戦争ってのは色んな側面があるので、「日本に感謝している」という人がいるのは否定しませんよ。
ただ、日本による侵攻を受けたほとんどのアジア諸国は、国として「日本に占領され酷い目にあった」という歴史認識を持っているのは紛れもない事実なのです。
こう書くと「おい待て! でも韓国は竹島について『独島は韓国の領土だ』って授業で教えているじゃないか! あれはどうみても反日教育だろ?」って言う愛国者様も多いでしょう。
では日本の学校で「北方領土は日本固有の領土です」と教えたら、日本は「反ロシア国家」という事になるのでしょうか?
当然なりませんよね。独島の授業もそれと同じ。
他国と領土問題が起きている際に、その土地を「自国の領土である」と主張するのは、当然といえば当然の話。相手国の人間に「それは貴方の国の領土に違いありませんって言ってくんなきゃお前は反日!」って考え方は、甘えっ子すぎますよね? 愛国者様ってみんな末っ子ちゃんなのかな?
「日本人が竹島は日本の領土」と主張するのと「韓国人が独島は我が国の領土」と主張するのを同列に考えられない方って非常にシンプルで消費カロリーの少ない大脳をお持ちなのでしょう。
省エネ時代ですから、まぁそれもアリなのかも知れませんね。
電源オフのパソコンは電気を消費しませんから、とってもエコです。
でも、韓国・朝鮮、そして中国が日本を批判的に捉えた物を見た瞬間に「反日だっ!」と脊髄反射するのはいかがなもんでしょう?
そういう人がもし韓国に生まれていたら、間違いなく「日本は反韓国家!」と言って日本の悪口やデマを巻き散らかしていたんじゃないでしょうかね?
ドッペルゲンガーに向かって罵詈雑言を投げかけている姿はコミカルではありますが、ちょいと見苦しいですよ。
せっかくですからこの機会に砂糖をひと舐めして「反日教育」や「反日思想」とはいったい何なのかを深く考えてみてはどうでしょう。
。
※注 韓国が70年代~80年代まで「アホな反日教育」をやっていたのは事実のようです。韓国の友人に確認した話によると、小学生の頃に「悪い日本人」の絵を描かされ、すんごく悪そうな日本人を描くと先生に褒められたとかwww
でも「今は英語やら数学やら受験に大切な勉強があるから、アホな事を教えている余裕なんかないでしょうね」だとか。まぁそらそうかもね。
何と言っても韓国は世界屈指のお受験大国だもんね。